うえを向いて あるこう。

 

雲の上は いつも晴れ!

 

と いうのは

どこかできいた ことば。

 

 

子供の頃の

冬の空は

いつも 灰色の雲に覆われて いた。

TVに映る 都会の空は

なぜだか いつも 青くって

嘘だろうと 思っていた。

だって

その空には 雲がない。

 

雲の上の世界なんて

考えてもこなかった。

頭上を覆う 灰色が

私の世界の 全てだったから。

 

足元だけを 見ていたのかもしれないし

もしかしたら それすらも

見えていなかったのかもしれないけれど。

 

私の上には 青い空が あったのに

ずっと それに

気づこうと しなかった。

ずっと ずっと

そこにあったのに。

 

 

いまだったら

たとえ

真っ黒な雲に おおわれていても

その先を さがすことが できる。

 

きっと

青い空を

みつけることが できる。